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男が離婚するまでに支払わなければならない『婚姻費用』について

多くの場合、夫が妻に対して婚姻費用を支払う義務があるでしょう。

 

夫が離婚意思を固めている場合には、早く離婚することによって、妻に支払う婚姻費用を抑えることができるので、早急に離婚調停の申し立てを検討すべきことになります。

 

婚姻費用とは

夫婦間の婚姻費用分担義務は、婚姻によって当然に生じる義務で、自分の生活を保持するのと同程度の生活を相手にも保持させる義務(生活保持義務)です。

 

離婚訴訟が係属している場合であっても、夫婦である以上、現実に婚姻解消に至るまでは婚姻費用分担義務を免れるものではないと解すべきです(東京高決昭和55年3月7日判タ415号184頁)。

 

一方で、「夫婦が別居するに至っており、もはや共同の婚姻生活が営まれていないとみるべき場合には、婚姻費用分担義務はないと考えるべきであろう。しかし、扶助義務は消滅しない。」(大村敦志『家族法(第三版)』p64)という考え方もあります。

 

ただ、判例は、婚姻が事実上破たんした状態で別居する夫婦間においても、婚姻費用分担請求の申立ては許されるとしております。

 

妻が不倫して勝手に家を飛び出した場合でも婚姻費用は支払わなければならないのか

妻の不貞行為等の有責行為によって婚姻関係が破たんした場合には、婚姻費用請求は信義則違反又は権利濫用によって許されないものとなります(福岡高宮崎支部平成17年3月15日家月58巻3号98頁、東京家審平成20年7月31日家月61巻2号257頁)。
ただ、不貞行為を立証する確たる証拠がない限りは、調停においては算定表による婚姻費用の支払いをしなければならないであろうから、証拠がある場合は調停を打ち切って審判にすることになる。
なお、子の生活費は当然支払わなければならないです。

 

自営業者の収入の確定

夫が自営業者の場合は、婚姻費用算定表での「義務者の収入」は以下の計算となります。
確定申告書の「所得金額」−「社会保険料控除」+「青色申告控除」+「実際に支払いがされていない専従者給与」
確定申告書のうち、「医療費控除額」、「生命保険料控除額」は差し引かない。これらは算定表で特別経費として、基礎収入の算定に当たり考慮されているからです。

 

減価償却費は、実際に支払っている金額ではないので、加算すべきか?

この点については、夫が現実に事業用資産の取得のための借入金の返済をしている場合には、基本的には、控除し、別途、事業用資産の取得に要した負債の返済を特別経費とは認められません。
しかし、申告に係る減価償却費をそのまま養育費・婚姻費用算定の前提として控除することが疑問な場合には、減価償却費自体は控除せずに、所得金額に加算することとし、別途特別経費として現実の負債返済額(経費扱いされていない分)の全部又は一部を控除するなどして総収入を認定するという方法がとられます(岡健太郎「養育費・婚姻費用算定表の運用上の諸問題」判タ1209号6頁)。

 

妻が家に居住し住宅ローンを支払う場合

夫が自分の住居と住宅ローンをダブルで支払うことになり相当の支払いになり、住宅ローン分は婚姻費用から控除したいと考えるだろう。

 

しかし、全額控除は認められず、一定程度が考慮されるにとどまる。具体的には、算定表による婚姻費用の算定額から一定額を控除する方法がとられ、権利者(妻)の総収入に対応する標準的な住居関係費を控除した金額を夫が支払うべき婚姻費用額とされるなどです(東京家審平成22年11月24日家月63巻10号59頁)。

 

妻が低収入の場合は控除できる金額が小さくなるので、住宅ローンの条件変更をして、住宅ローンの月返済額を減らす等の方法を検討すべきであろう。

 

子どもが私立学校に通っている場合

実務上、加算額の計算方法は、私立学校の学費等から、算定表において考慮されている「平均収入に対する公立学校教育費相当額」を控除し、これを権利者と義務者の基礎収入で按分する方法が多いです。

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