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収入に関する資料の信用性の欠如・不存在

1 収入に関する資料の信用性が欠ける場合(従前の収入から推計された例)

 急激な減収が主張される等、収入に関する資料の信用性が欠ける場合、従前の収入や生活実態、賃金センサス等を用いて、事案に沿った収入額を認定する。

 ・生活実態から推計する例

宝石販売業者であった義務者について、確定申告での課税所得金額が0とされていたものの、事業資金の返済、食費、家賃、個人年金、医療費、たばこ代等の支出状況に鑑み、支出同額程度の収入があったものと認定した事例

 

建築業者である義務者の確定申告書では、所得金額が40万円あまりとされていたものの、同居中の生活費として20〜23万円が渡されていたことに鑑みて収入を認定した事例

 

 ・従前の収入から推計する例

代表取締役であった義務者が役員報酬の減額を主張したが、義務者が経営者として自らの報酬額を決定できる立場にあったこと、減額の時期が調停の後であること等に照らして、減額前の収入を基礎として婚姻費用を算定した事例

 

父親の経営する会社の取締役である義務者が報酬の減額を主張したが、現実に支出している住宅ローンや教育費から減収の不自然性を指摘し、減収前の収入を採用することも相当とした事例

 ・賃金センサスを用いる例

大阪高等裁判所 平成16年(ラ)第83号 子の監護に関する処分(養育費請求)審判に対する即時抗告事件 平成16年5月19日「子の監護に関する処分(養育費請求)審判に対する即時抗告審において,幼児について認知審判が確定し,その確定の直後に養育費分担調停の申立てがされた場合には,民法784条の認知の遡及効の規定に従い,認知された幼児の出生時に遡って養育費の分担額を定めるのが相当であるとし,また,父は,その叔父が経営する会社で稼働しているところ,父が提出した給与支払明細書は,その就業先から受けている給与額を正しく記載したものとは考えられず,これにより父の収入を認定することは困難であるとして,給与支払明細書に基づいて収入額を認定し請求時からの養育費分担額を算定した原審判取り消し,幼児の出生時に遡って,賃金センサスにより推計した収入額を基に養育費分担額を定めた事例」

 

義務者が自営業者で、確定申告では事業収入1317万円、事業所得342万余円とされているが、平成9年から18年に事業所得を大幅に上回る婚姻費用及び住宅ローンの支払いをしていることから、確定申告の正確性に疑いがあるとし、賃金センサスを用いて義務者の年収を推計した事例。

 

2 収入に関する資料の信用性が欠ける場合(賃金センサスが用いられた例)

 もともと、正確な収入に関する資料が作成されていたが疑問がある等の場合、従前の収入や生活実態、賃金センサス等を用いて、現実の収入に近づけた収入額を認定する。

 

大阪高等裁判所 平成16年(ラ)第83号 子の監護に関する処分(養育費請求)審判に対する即時抗告事件 平成16年5月19日「子の監護に関する処分(養育費請求)審判に対する即時抗告審において,幼児について認知審判が確定し,その確定の直後に養育費分担調停の申立てがされた場合には,民法784条の認知の遡及効の規定に従い,認知された幼児の出生時に遡って養育費の分担額を定めるのが相当であるとし,また,父は,その叔父が経営する会社で稼働しているところ,父が提出した給与支払明細書は,その就業先から受けている給与額を正しく記載したものとは考えられず,これにより父の収入を認定することは困難であるとして,給与支払明細書に基づいて収入額を認定し請求時からの養育費分担額を算定した原審判取り消し,幼児の出生時に遡って,賃金センサスにより推計した収入額を基に養育費分担額を定めた事例」

 

3 収入に関する資料がない場合

 収入に関する資料(源泉徴収票、確定申告書等)が入手できない場合、同居時期の家系状況や統計資料、妻の陳述に照らして算定する。

 

宇都宮家庭裁判所 平成8年(家)第151号 子の監護に関する処分(養育費)申立事件 平成8年9月30日「相手方については,家族状況,職業,収入,支出などに関する資料が全く得られない。そこで,家族については,住民票から6人家族同居と推定し,相手方の子は全員成人しているので,父が扶養する必要はないものとし,相手方の妻及び母を被扶養家族とする。相手方の職業は,申立人の陳述によりダンフカー持込みの運転手と認める。またその収入については,平成6年の「賃金構造基本統計調査報告」(賃金センサス)中の「営業用大型貨物自動車運転者(男)及び営業用普通・小型貨物自動車運転者(男)50〜54歳」企業規模別及び都道府県別に拠ることとする。そうすると相手方の月額収入は,きまって支給する現金給与額の平均の36万5000円とするのが相当である。持込み運転手であることを考慮して年間賞与などは含めないこととし,職業経費を30パーセント認め,結局相手方の算定の基礎となる収入を,25万6000円とする。
 その上で,平成7年7月分以降の事件本人の養育費を算定するに,本件では算定にあたり不確定な部分が非常に多いため,それらに係わりなく事件本人個人単位で計算できる生活保護1類に着目して算定することとし,事件本人の養育費として相当な額を,生活保護基準額の約1.5倍とする。そうすると烏山町では4万7775円,大阪府枚方市では6万1650円となる。そこで,これに対する父母の負担額をおのおのその余力で按分する方式で算定したうえ,その結果に諸般の事情を勘案すると,相手方の負担する養育費の額は,平成7年7月から同8年3月までは毎月3万7000円,同8年4月以降は毎月4万8000円とするのが相当である(本件ではかかる算定方法をとることもやむを得ない。)。」

 

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